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家づくりのご相談をいただく際、多くの方が気にされる防蟻対策。
「住んでいる間にシロアリ被害を受けないか不安」
「シロアリ被害に対してどんなアフターメンテナンスを行っているのか」
これは、私たちのもとに寄せられる声の一例。
長く住まう家のことだからこそ、ご相談が絶えないのもうなずけます。
とは言え、芦葉工藝舎が代々続けている対策は非常にシンプル。
ただひたすら、「歴史に学ぶ」。この一言に尽きます。
日本には、数百年前や千年以上前に建てられた神社仏閣が数多く存在します。
しかし、それらの建築物が「害虫の影響を受けて倒壊した」という話は、
ほとんど聞いたことがありません。
先人が培ってきた手法から虫に犯されない建築技術学び、家づくりに用いる。
私たちは、その姿勢を徹底しているだけなのです。
そのひとつが国産の「檜(ヒノキ)」を使用すること。
それも、樹木の中心部にある芯持(しんもち)だけを厳選しています。
昔から防蟻効果の高い木材として知られる檜。
特に、檜に含まれる“αカジノール”という成分は、
シロアリやダニを防ぐ効果や、木材を腐らせる菌の繁殖を抑える効果が確認されています。
さらに、長い年月を生きてきた芯持材は木の成長に伴う重力負荷を支えてきたため、
非常に強固で硬度が高く腐敗しにくいといった特徴もあります。
木材が乾燥する際には他の部分に比べて収縮する度合いが大きく、
割れや反りが生じやすいなど加工の難しさはありますが、
何百年も前の大工と同じように、檜の芯持を丁寧に、丁寧に仕上げていきます。
ふたつめは、仕上げた檜の木材に「柿渋」を塗ること。
未熟な柿を搾汁して発酵熟成させてつくる柿渋は、
多くの歴史的建造物にも使用される天然素材。
染料としての役割もありますが、木材に塗り込むことで防腐性が高まり、
さらなる防蟻効果が期待できます。
最後は、家の床下に「風の通り道」をつくること。
湿気による木材の腐敗が害虫被害の起因となるケースは、決して少なくありません。
だから私たちは、床下など構造部分の風通しを良くし、
湿気がこもらない環境を木材に与えているのです。
選りすぐった檜の芯持に自然由来の柿渋を塗り、
完成した素材を風通しの良い設計手法で組み立てていく。
芦葉工藝舎が代々手がけてきたすべての家で、この三点を守り続けてきました。
そしてこの三点は、自然から学んだ方法ですので、
人のカラダに優しいということが大きな付加価値化かもしれません。
私たちのお客さまには50年以上お付き合いがある方もいらっしゃいますが、
「自宅にシロアリが出た」「木材が腐敗してきた」といった声は、
この半世紀で一度も聞いたことがありません。
優れた防蟻機能を生み出す秘訣は、自然の力と昔ながらの手法を生かすこと。
日本の長い歴史が、長くお付き合いのあるお客さまの声が、何よりの証明です。