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スギ、ヒノキ、ヒバなどといった国産の木から、
ウォルナットやチークといった海外産の木まで。
私たち大工はこれまでに、数多の材木を使って家をつくってきました。
そんな、あらゆる木の性質を知り尽くしている大工にとって、
数多の木の中でも最高峰と言える存在が、「欅(ケヤキ)」です。
欅の魅力は、その強靱さと美しさ。
製材してから100年経っても、200年経ってもその価値は変わらず、
むしろ、時を重ねるほど美しさに深みが増す木です。
古くから寺や城の建築材としても重宝されており、
日本家屋では、大黒柱や差し鴨居、床框など、
その家にとって最も大切な場所に使われてきました。
以前、あるお客様の依頼で築100年以上経過した家屋を解体し、
大黒柱である欅を新しい家へと引き継ぐために取り出したとき。
さらにそのひとつ前の家屋の大黒柱として使われていた形跡があった……
ということも実際にありました。
そうした欅の真価を引き出すには 素性を理解する熟練の技術が必要です。
木ごとの個性が強く、自然乾燥させている間に割れてしまうことも多いですし、
一見真っ直ぐであっても、僅かな水分の残留や欅独特の癖によって
切断後に大きく変形してしまうこともあります。
そのため、欅は昔から一流の腕を持つ大工でも
慎重な施工が求められる材料として扱われてきました。
私たち芦葉工藝舎は、欅の真価を引き出せるよう
欅に対する理解を深め、施工の技術を追求し続けてきました。
木の見極めから、製材まで。寸分の狂いもないよう、一本一本丁寧に扱っています。
美しく洗練された欅には、永代続く価値があります。
その価値を後世へとつむいでいくこと。それが私たちの使命でもあるのです。
芦葉工藝舎ギャラリーの隣にある木の保管所では、
何代もの時代を生き抜いてきた立派な欅が多数あります。
中には、50年以上も前に伐採され、
長い年月をかけて風にさらし、乾燥を繰り返し、出番を待つ材料も。
興味のある方はぜひギャラリーへお越しの際、ご覧になってみてください。
ここでは語り尽くせない欅の魅力と共にご説明させていただきます。