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2018年12月に発表された今年の漢字は「災」。
文字通り、2018年は日本各地で大規模な自然災害が起きた年でした。
日本は、地震大国と呼ばれるほど地震が起きやすい地域です。
そうした環境でも、強く永く住める家をつくること。
それが、先代の大工たちが目指した家づくりの在り方でした。
その歴史の中で確立された技術が「木組み」です。
木組みとは、釘などの金物を一切使わず、
木の柱を組み合わせて家の骨組みをつくっていく、日本独自の建築技術。
木は、組み合わせることで、より頑丈でしなやかになります。
地震が起きれば、木組みと木材の柔軟さで地震力を受け止め倒壊から家を守り、
その衝撃を地面へと受け流す……つまり、強靭さに優れた構造になるのです。
家づくりをはじめ、日本のさまざまな伝統建築にも活用されており、
中には百年以上、千年以上と、そのかたちを保ち続けているものもあります。
私たちはこの木組みの技術を磨くことで、
木の強さを最大限に引き出し、地震に強い家をつくり続けてきました。
しかし、近年の日本は 災害が反復的に繰り返されるようになり、
家にもより強靱な構造が求められるようになってきました。
そこで私たちは、木組みの構造をさらに引き立てる研究や、
制震構造を取り入れるなど、「現代の木組み」を確立してきたのです。
先代の大工より継承した「木組みの教え」を、
現代の風土に合わせて次の世代へと伝えていく……
日本の天災に強い家をこれからもつくり続けていきます。