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木と共に経年変化していく、「革細工の引手」。

みなさんは、革細工の小物を使用したことがありますか。
革は、その種類や職人の腕、持ち主の使い方によって、
風味や使い勝手、見た目の印象が大きく変わる素材。
鞄や財布、名刺ケースなど、日用品として持たれることが多く、
愛用すればするほど、親しみが湧いてくるものとして知られています。

長く使うことによって生まれる愛着や個性は、
まさに私たちが目指す家づくりの在り方と同じ。

私たちが家づくりに扱う木は、
年月と共に色に深みが増し、風合いが出てきたり、
傷がついても、むしろ味わいが増して木に表情が出てきたりと、
時が経てば経つほど、その家に暮らす人々に合わせて変化していきます。

木と革、それぞれの経年変化から生まれる美しさを調和できないかと考え、
私たちは、家づくりに革の素材を取り入れることにしました。

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そのひとつが、”建具や収納の取手や引手を革でつくる”という方法です。
一見するとその滑らかさや柔らかさが目立つ革素材ですが、
重たい荷物を入れる鞄の持ち手に使われるなど、非常に丈夫。
その性質を活かして、建具に取り付ける取手と引手に活用したのです。

一般的には、金属などの固い材質が選ばれていますが、
それを革細工にすることで、部屋の雰囲気が一気に柔らかな印象に。
また、少しずつ手に馴染んでいくため、使い勝手も良くなっていきます。

木や土壁と同じように、その家の生活に合わせて経年変化していく革の取手。
きっと、使えば使うほど、愛着が増していくことでしょう。

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実際に触れてみたいという方は、
芦葉工藝舎のコンセプトハウスで体験することができます。
また、ギャラリーでは、私たちが革の取手の製作を依頼している
革工房「journey」の製品を常設販売しているので、
そちらで革の質感や風合いを確かめることも可能です。

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