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暮らす人の心に寄り添う、現代の「床の間」。

日本ならではの慣習である「上座」と「下座」。
目上の人や客人が座る席を上座、目下の人やもてなす側の人が座る席を下座として、
ビジネスの場などで重んじられていますが、実はその由来は「床の間」にあります。

床の間の発祥は、室町時代。
もともとは武家の家だけに存在するもので、
君主と家臣が接見する際に使用する場所として存在していました。

君主は上段の間に座り、下段の間に家臣が座って会話をする……
身分を明確にするためにつくられたこの文化が、上座・下座のはじまり。

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やがて一般の家庭へと広がり、どの家にも必ずつくられるように。
お客様が訪問した際にお迎えする、一家の主や年長者がそこに座る……
そんな、”おもてなしの心や礼儀作法を重んじる空間”として扱われていました。

しかし、現代に近づくにつれ、家族三代で暮らすことや、
お客様が頻繁に訪問する機会は減ってきてしまいました。
そうした変化の中で、家の中に床の間をつくる目的も大きく変わっていきます。

例えば、ひな人形や五月人形など、季節のものを飾るために。
着物や生け花、書道など、趣味の時間を楽しむために。
仏壇や遺影のような、神聖なものを置くために……
“アートを飾る場所”、”日々の暮らしに寄り添う空間”として、
つくられるようになってきたのです。

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床の間があると、家の中で季節を感じる機会や、
日本の文化を慈しむ機会が自然と増えていくもの。
そのひとときが、日々の暮らしをより豊かなものへと導いてくれるでしょう。

私たちは、床の間の由来や昔ながらのつくり方を知っているからこそ、
その知識を活かして、現代風にアレンジした床の間をつくることができます。

暮らしの中で和の空気を感じたい、日本らしさを大切にしたいなど、
ぜひお気軽にご相談ください。
お客様の毎日を豊かにする「現代の床の間」を、ご提案いたします。

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