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芦葉工藝舎では、毎年5月頃になると、
希望者全員で一泊二日の研修旅行へと出かけます。
今年の行き先は、昨年に引き続き二度目の京都へ。
京都には、南禅寺や下鴨神社、三十三間堂といった歴史的建築物をはじめ、
近代建築として評価の高い空間や施設も数多く存在しています。
一度の旅では味わいつくせないほど多様な建築的刺激がもらえる地域は、
日本全国を見渡してもそう多くはありません。
例えば、世界遺産にも登録されている二条城。
慶長8年(1603年)に徳川家康が築城した書院造の建物は、
ただ眺めるだけで、手がけた大工の腕前や木の素晴らしい価値が伝わってくるほど。
つい時間を忘れて、いつまでも眺めていたくなる魅力があります。
また、延暦17年(798年)に建てられたとされる清水寺。
寄棟(よせむね)造りや寝殿造りなど、釘を一本も使わずに建てる
日本古来の伝統工法がふんだんに使われており、
昨年は、その場にいた社員全員が、圧倒的な空間美に感性を刺激されていました。
まだまだ勉強中の新人も、キャリア20年を超える大ベテランも。
研修旅行に参加している間は、誰もがまったく同じ表情に。
「いい建築物は、何百年たっても人を感動させられるのだと改めて気づかされました」
そう語る社員の目は、素直な好奇心と探究心に溢れています。
研修旅行は基本的に自由参加。当日も自由行動を謳っていますが、
毎年、誰かが「一緒に見てまわりましょう」と声をかけ、
いつのまにか、全員で同じ時間を過ごしていることがほとんど。
価値ある建築物を見て己の感性を深めるのはもちろん、
社員同士の結束の場にもつながっています。
今年は、社員がどんな表情をしながら京都を巡るのか。
研修旅行の後、どんな想いを抱いて自分の仕事と向きあうのか。
今から、とても楽しみです。